こんにちは!台風が近づいてきているようですが、みなさんのところは大丈夫でしょうか。まだ前回の台風15号から復旧していないところもあると思いますので、みなさんお気をつけてくださいね。
さて、なんだかタイトルが怒っているようになってるけれど、怒ってないです(笑) ただ単に本屋さんで本を探していたら企業の海外進出についての本がいくつか目に留まり、インドネシアで働いていた時のことを思い出したので、それに関連して「発展途上国に社員を送る企業の偉い人たちにお伝えしたいこと」を書きたいと思います。
もちろんこの記事は利益の観点からではなく、「送られる側(海外駐在員)」の観点からのお話です。経済学を思い出せば、「企業とは利潤の最大化を目指すものである…」とか一番初めにやったような気がしますが、ちょっとうろ覚えです。それはさておき、そう、企業は利潤を最大にするものなんですよね。そりゃそうですよね。だから、会社の偉い人が間違ってこのブログにたどり着いちゃって、「企業の利益を最大化させる方法が知りたい!」とかいうのであれば、この記事は非常に役に立たないこと請け合いです(笑) そんな人はここにはいないと思いますが。
この記事を書いているのは別に本当に企業の偉い人に読んでほしいからではなくて、どちらかというと、発展途上国に「送られる側」の中でも、現状に違和感を感じている人たちと少し思いを共感したい、という方が大きいです。もっといえば私が会社を辞める際に言いたかったことでもあります(99%誰も理解してくれないだろうと思ったので言いませんでしたが)。
会社を辞めて時間が経っているのですが、あのころに感じていた違和感をどうしても伝え切ってしまいたい、誰かに理解してほしいと思う気持ちは、今でもよく沸き起こるのです。当時箇条書きで付けていた日記や知り合いに送ったメールから記憶をたどって書きたいと思いますが、下記は私の前の会社で起こったことだけではありません。
海外に向かない人間を送らないでほしい。
海外に住むとストレスを感じるタイプの人とストレスを感じないタイプの人がいますよね。良い悪いではなく。
ストレスを感じるタイプの人をずっと海外に置き続けることが、どれだけその人と、その人の周囲の人に悪影響だろうかと考えていました。その人がいくら外国語を流ちょうに話せようが、どれだけ優秀な上司のイエスマンだろうが、人をひとり(あるいはその家族まで)ダメにするかもしれない行為だとわかってほしいのです。
人が倒れるまでやらせないでほしい。そして倒れてすぐ処置できない場所に、そういうタイプの人間を送るのをやめてほしい。それは日本の中でも同じだと思います。
過度な飲酒やたばこに走ってしまう人もいれば、もっと面倒なものに走ってしまう人もいます。長い目で考えて、それが会社自体に悪影響を及ぼす可能性があるということを、いったいどれだけの人が認識されているのでしょう。
そしてそういった辛い状況に置かれてしまった駐在員の方、辞めたいと思ったら辞めることを考えるのも手ではないでしょうか。思った以上に生きる手段はありますし、その経験を買ってくれる場所もあると思うのです。
発展途上国の拠点は「左遷先」ではない。
よく言われる話をまとめると、「欧米は栄転、その他は左遷」らしいです。実際にたぶん「欧米は栄転」でしょう。ここに意義はありません。
私が違和感を感じるのは「その他(欧米以外)は左遷」という部分です。
「本社で使えないから、日本で使えないから、ヤツを発展途上国に送ってしまえ。それでその従業員が辞めれば逆にもうけもん。」と言わんばかりにコマッタ人たち(タイプは様々:モラハラタイプ、何もやらないタイプ、セクハラタイプ、パワハラタイプ etc.)が送られてくるのです。
どの拠点にもたぶんしっかりした人たちはいます。でも少ない人数で左遷されてくる人たちの面倒を見るのは非常に大変です。私は入社したばかりで自分の仕事をやるのに精いっぱいのときも、左遷されてきたコマッタ人たちのための仕事(=つまり必要ないけれど作った仕事)の翻訳や通訳に呼ばれ、行くと「遅い、早くしろ」と言われる毎日でした。
左遷されてくるのは大体かなりの年上なので、左遷されていても大体威張っています。威張るだけならまだしも、現地の人に暴言を吐いたりします。そして海外にいることを言い訳に、コンプライアンスの講義などは受けません。そうやってモンスターに成り果てたと思われる日本人を何人か見ました。
ある企業が国内のほかの企業に営業に人をやる場合は、多少問題のある人間はいても、恥になるような人間までは送ったりしませんよね。なのになぜ、ほかの国には恥になるような人間を送れるのでしょうか。
発展途上国の拠点は「偉い人たちの安いリゾート」でもない。
発展途上国の物価は基本的に安いです。そして、出張したらお手当がありますよね。おいしいですよね。
だからと言って、休みの前の日に無駄な出張をしないでください。あるいは、出張しても、部下に部下に土日の朝から夜まで接待されることを期待しないでください。ましてや自分の好きなホテルに泊まるためだけに、会社からも駐在員の家からも2時間もかかる遠い場所で毎日食事を強制させたりなんてしないでください(私の実体験)。
偉い人たちにとって非日常であっても、そこで勤務する人間にとってはただの日常で、仕事をしなければならないのです。だから、休暇感覚で来ないでください。
発展途上国にもコンプライアンスの意識を。
数年前でしょうか、「フェアトレード」という言葉がいろいろなところで使われました。私がこの言葉を知ったのは中学か高校あたり、確か教科書かどこかで目にした言葉だったかと思います。その時は「フェアトレード・コーヒー」のお話でした。今もカフェに行くと、たまにフェアトレードコーヒーの看板が出ているのを目にします。
何が言いたいかというと、私たち消費者が安いものを買えるのは安いものを作る会社があるからで、安いものを作れる会社があるというのは安い賃金で働く人がいるからです。
その安い賃金のおかけで大きな利益を出しているということを忘れてはならないと思います。決して安い賃金で働く人がいるからと見下す材料にしてはいけないし、そこで豊かな生産活動をさせてもらっているということに感謝するべきだと思うのです。
長く発展途上国にいるうちに「日本人だから優れている」と勘違いする人が出てきます。景気は良くないとはいえ、経済的に恵まれた国に生まれ、さまざまな運に恵まれ、良い教育を受けたのであれば、それを還元することはあっても下に見ることはあってはならないのではないでしょうか。
どこの国(地域)の人であっても人権はあるし、働く環境も整えられていなければならないと思います。日本人とそれ以外の国の人で、不必要な労働環境の格差は不適当だと思うのです。日本側の都合で長時間の残業や休日出勤などはいいのでしょうか。ハラスメントは日本人の間で起こらなければいいのでしょうか。自分たちだけ幸せで本当にいいのでしょうか。
そもそも、彼らが受け取っている賃金は適当でしょうか。その低い賃金を相手に強制していないでしょうか。
まとめ
頑張って書いていたら、インドネシアで働いていた時のことを思い出して熱くなってしまいました。
この記事の内容が少しでもいろんな人に共感してもらえたらうれしいな。
それではまた!
コメント